イタリア哲学4

ゼノン

パルメニデスの弟子であったと伝えられるゼノンは、師と同じエレアの生まれであった。彼は師の教説を擁護するために書物を残したとプラトンは解している。今日知られているゼノンの「パラドックス」は、「ある」が真理に反して「多」であると仮定した場合に、いかに多くの不合理が生じるかを「背理法」によって示すものと考えられている(『パルメニデス』128C-D)。

以下に運動の否定に関して、アリストテレスの紹介しているパラドックスから二つを紹介しておく(『自然学』Z9)。

アキレウスと呼ばれているもの。最も遅い走者は最も速い走者によっていつまでも追いつかれないであろう。なぜなら追いかけるものは追いつく前に、逃げるものが走り出した出発点に到達しなければならず、したがって必然的により遅いものが、たとえ僅かでも先行し続けるからである。飛んでいる矢は止まっているというもの。すべてのものは静止しているか、運動しているかのどちらかである。ものが自分自身と等しい所にあるときは静止している。移動しているものは、常に今のうちにあり、すべてのものは今のうちにおいて自分自身と等しい所にあるならば、飛んでいる矢は動かないことになる。

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