死の定義
生命倫理学の諸説紹介
「脳死と人格同一性」マイケル・B・グリーン、ダニエル・ウィクラー
- 生物学的諸議論
- 道徳的諸議論
- 存在論的議論
- 脳死としての死
要約
死の定義を巡る混乱
従来の医学的慣習の下では生きていると見なされたであろう患者が、死んでいると宣告される。脳機能の不可逆的喪失。脳死患者を死者と分類しようとする議論。
I.生物学的諸議論-生命医学の進歩によって死の再定義が必要になった。
- 昏睡-意識と外界認識の永遠の喪失
- 生命体内部の恒常性維持に寄与する自律的身体過程(たとえば呼吸)を統制する脳の能力の喪失
- 上記二者は、脳の異なる部位にもとづく。上部脳(意識をつかさどる)と下部脳(呼吸などの生命過程をつかさどる)。
- 伝統的心肺検査は脳死検査でもあったとする見解。 - 生命維持装置による偽りの検査事実。 - 脳機能の直接の検査 - 脳波や類似の指標によって下部脳の機能停止を読み取る。その難点 - 下部脳だけに宿るのではない能力。 - 能力の喪失それ自体を指標とする事の難点(ペースメーカーや人工呼吸器使用者)。
- 脳死が起こると程なく全体としての生命組織の死がそれに引き続くという医学的事実。生命機能の一つを喪失した場合に、必然的に死が引き起こされるとしても、その喪失そのものが死を構成するのではない、という指摘。程なくという時間の短さ - 無限に引き伸ばし得る。腎臓障害の例を考えてみよ。
- その他、脳の重要性・特殊性を訴える科学者。しかし下部脳の機能は他の身体機能部位と同様に代替可能(技術上の問題だけ)。
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