環境についての倫理学3

地球全体主義

地球の生態系は開いた宇宙ではなくて閉じた世界である、という主張はどんな風に考えたら良いのでしょうか。閉じた世界というのは、資源やエネルギーの量が有限だという事です。その有限な資源を利用する際に優先するのは、生存可能性と考えられます。

宇宙船地球号という表現は、地球全体主義の考え方をよく表していると思います。その船の舵取りをどのようにとってゆくかを、我々は考えなければなりません。しかし我々にすっかり染み付いてしまっている無限の成長・進歩という観念を振り払うのは、実際にはそう簡単ではないでしょう。

命の維持は他の選択可能性に優先します。現行世代が化石燃料を使わなければ死滅してしまうとしたら、我々は未来の世代の生存可能性をたとえ否定してでも化石燃料を使うでしょう。未来の世代の生存可能性を残すために、それを使わないとしたら現在の人類の命の維持が出来なくなってしまいます。

しかしこうした問題提起には、直ちに反論が予想できます。すなわち資源が有限である事実は動かせないとしても、省エネや新たな技術革新によって現行世代と未来の世代が共に生き残る道があるのではないかと。技術の進歩によって解決できる問題は確かに多いでしょう。

しかし技術の進歩によって取り得る可能性は広がるとしても、その中からどれを選ぶべきかを考えるという倫理的問題は依然として残るでしょう。

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